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交通事故で意識不明になったら

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1 交通事故で意識不明になったら

 交通事故で頭部を強く打つなどして意識不明の状態に陥ることはしばしばありますが、その後、どのような経過を辿るかによって対応が異なってきます。
 特に、交通事故で意識不明に陥った後、奇跡的に意識を取り戻した場合、意識を取り戻したことに気をとられて対応を誤ることがありますので、注意が必要です。

2 意識が回復しない場合

 

⑴ 不幸にも、

 意識不明の状態に陥り、その後、長期間意識が回復しない場合に、いかなる手続きをすべきかについて説明していきます。
 意識不明の状態が6カ月以上継続した場合には、早期に対応する方が被害者に有利になることもあります。

⑵ 大まかな流れについて

 治療から示談に至る大きな流れは通常の交通事故の場合と大きく異なることはありません。
 すなわち、6カ月経過後に後遺障害の等級申請を行い、認定された後遺障害等級を前提に示談交渉若しくは裁判を経て賠償金を得るというのが大きな流れです。
 しかしながら、交通事故の被害者本人は意識不明であり、交通事故の被害者本人は、上記の手続きを自ら行えないばかりか、誰かに委任するという意思表示すら行えないことから、通常の交通事故の場合と手続きが少し異なってきます。

⑶ 誰がどうやって請求する

 ア 代理請求制度を利用する
 自賠責の後遺障害等級の申請については、代理請求制度という制度を利用することができ、当該制度を利用すれば配偶者や親族などが被害者本人に代わって後遺障害の等級申請を行うことが出来ます。
 イ 成年後見の申し立てを行う
 もっとも、上記の代理請求制度は、交通事故の被害者が早期に自賠責の保険金を取得するための例外的な制度ですので、示談交渉や訴訟を提起する場合には、やはり交通事故被害者本人が意思表示を行うことが必要となります。
もっとも、交通事故の被害者本人は意識不明であることから、被害者本人が意思表示を行うことは不可能です。
そこで、家庭裁判所に対して、成年後見人の申立てを行い、本人に代わって意思表示をしてくれる成年後見人を選任して貰うことが必要となります。
 成年後見人の申し立ての際に、家族を成年後見人の候補者として申し立てを行えば多くの場合家族が成年後見人に選任されますので、その後、成年後見人に選任された家族が、本人に代わって弁護士に委任するなどその後の手続きを行うことになります。

⑷ 最後に

 家族が交通事故に遭われて意識不明の状態が継続しているときに賠償のことを考える余裕などないでしょうし、考えたくもないと思います。
 しかしながら、どこかの時点では相手に損害賠償請求をしなければなりませんので、落ち着いた時点で一度専門家に相談することをお勧めします。

3 意識が回復した場合

⑴ 幸いにも

 交通事故で頭を打ち、意識不明の状態が続いたが、その後、意識を回復し元気になったということは良くあることです。
 しかし、仮に一見完全に回復したように見えても実際は脳に損傷を受けていることがあります。
 そこで、交通事故で意識不明に陥ったのち奇跡的に回復した場合、どのように対応すれば良いのかについて説明していきます。

⑵ 高次脳機能障害の見逃しについて

 交通事故で頭部を打撲し意識を失った場合、高次脳機能障害の可能性があります。
 高次脳機能障害とは、簡単に説明すると、大脳が損傷を受けたことによって、認知障害、行動障害、人格変化が起こることを言います。
 重度の高次脳機能障害の場合には、明らかな認知障害、行動障害、人格変化が生じることが多いことから、一見して高次脳機能障害であることが分かると思います。
 しかし、軽度の高次脳機能障害の場合には、なんとなく物覚えが悪くなった、少し性格が変わったなど、現れる変化が小さいことから見逃されることが往々にしてあります。
 また、交通事故に遭った後、意識が回復するまでの間治療にあたる医師は通常脳外科の医師ですが、脳外科の医師が、必ずしも高次脳機能障害の診察が出来るとは限らないことも高次脳機能障害が見逃される大きな原因であると思われます。

⑶ このような人は注意が必要

 事故で頭部に強い衝撃を受け、昏睡状態若しくは半昏睡状態が6時間以上継続した場合は、高次脳機能障害になる可能性がありますので、周りの人が、事故以前と何か変化はないか、事故以前は出来ていたことが出来なくなっていないか、性格が荒っぽくなっていないかなどを慎重に観察してあげる必要があります。

⑷ 高次脳機能障害の後遺障害等級について

 高次脳機能障害の程度に応じて、後遺障害の等級が認定されますが、高次脳機能障害で後遺障害の等級が認定される場合は、一番低い等級でも9級です。
 したがって、仮に高次脳機能障害を見逃してしまった場合、本来受けることが出来る数千万円の賠償(9級の後遺障害慰謝料は赤い本の基準で690万円であり、それに遺失利益を加えると数千万になることは往々にしてあります。)を受けることが出来なくなってしまいます。

⑸ どのように対処すべきか

 脳神経は、一度損傷すると元に戻ることはないとされていますので、事故後早急に対応しなければ後遺障害の等級認定がなされないという種類の障害ではありません。
したがって、焦る必要はありません。
 もっとも、専門医による診察及び検査を受けなければ高次脳機能障害であるか否かは分かりませんので、少なくとも後遺障害の等級申請までには診察及び検査を受ける必要があります。
 検査は、知能テストなどを行い、いかなる部分に障害が生じるかを絞り込んで行きますので、長期間の検査が必要になります(入院検査だと1週間程度の入院検査で終わりますが…)。
 したがって、ご自身の生活状況を考えて、診察及び検査の計画をしておくことが大切です。

⑹ 注意すべきこと

 脳外科の医師は、必ずしも高次脳機能障害の専門医ではありませんので、高次脳機能障害の対応した後遺障害診断書を作成することが出来るとは限りません。
 したがって、高次脳機能障害が疑われる場合には、必ず高次脳機能障害を専門に扱っている医師の診察及び検査を受けて下さい。
 保険会社に対し、高次脳機能障害ではないかと訴えたところ、保険会社から、受診している医師に後遺障害診断書を作成して貰うように言われたので、医師に後遺障害診断書の作成を依頼したが、その医師が高次脳機能障害の専門医ではなかったというようなことは避けたいものです。

⑺ 特にこんな人は要注意

 上記の通り、高次脳機能障害の診察には長期間の知能検査が必要ですので、昏睡状態若しくは半昏睡状態が6時間以上継続したにもかかわらず知能検査を受けていない人は、後遺障害の等級申請に必要な検査を完了していない可能性が高いです。 
 したがって、後遺障害の等級申請を行ったとしても適切な等級が認定されない可能性がありますので特に注意が必要です。

4 当事務所の対応

⑴ 意識が回復しない場合

 ジコナビは、後遺障害の等級申請、成年後見人の申し立て、示談交渉若しくは訴訟に至るまでの全ての手続きサポートしております。
 

⑵ 意識が回復した場合

 大学病院で高次脳機能障害を専門的に研究されている医師に診察・検査して貰い後遺障害診断書を作成して貰います。
 その上で、後遺障害の等級申請を行い、示談交渉等に臨みます。
  
 高次脳機能障害は見逃され易い後遺障害の一つですので、交通事故で意識不明の状態に陥った方は是非ジコナビにご相談ください。
 ジコナビは、医師と弁護士が連携して交通事故被害者を全面的にサポートします。

 高次脳機能障害の診察・検査は急を要するものではありませんので、遠方の方についても対応致します。
 遠方の方もお気軽にご相談ください。

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