Aさんは、事故で腰椎捻挫を受傷し、馬尾神経の圧迫も見られ足が下垂している状態でしたので
腰椎ヘルニアの手術をしました。
初回の後遺障害申請では、術後に残っている足の痛みやしびれは他覚的所見に乏しいとされましたが
事故との因果関係は認められ14級9号が認定されていました。
とはいえ症状はかなりはっきりと残っていたため、神経そのものが痛んでいることが疑われ
電気生理学的検査によって神経の損傷を裏付ける医学的証拠を揃えて12級13号を目指して異議申立を行いました。
ところが、結果は前回同様の14級のまま。
認定理由には、オペをする前にかかっていた病院(第一次診)に医療照会したところ
事故当日の他覚的所見はなしとされていること、神経学的所見も異常なしとされているという点が挙げられていました。
それで腰椎ヘルニア由来の神経の不可逆的損傷があることは認めるが、そもそも腰椎ヘルニア由来の症状と
事故との因果関係は認めない、オペも事故由来の症状に対するものとは認めない、
だが残存している痛みに関しては14級は認めるという、なんとも理不尽な認定になってしまったのです。
もし今回の認定の論旨が一貫したものであるなら、初回認定の際に第一次診の所見を指摘し
非該当という判断になっていたのではないでしょうか?
Aさんには腰椎ヘルニアの既往歴もなく、オペをされたドクターは脊椎専門の医師で事故との因果関係をしっかり肯定して下さっていました。
このように自賠責のレベルでは理不尽な認定がなされることが多々あります。
今回の認定は、一次診の所見が大きく立ちはだかり自賠責のレベルでは覆すことは出来そうにありませんが
一貫性とか他覚的所見とかいっている認定機関が、その場しのぎで恣意的な側面をもっていることを示すものと言えます。